「混合→母乳」経験談


ミル大吉さんの場合

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〜助産師さんが魔法でもかけたかのようでした〜



母乳のみになった時期  : 2ヶ月頃



2002年12月に里帰り先の北海道小樽市の総合病院で児頭骨盤不均衡のため、帝王切開で長男を出産しました。
産後すぐの授乳をすることができず、母子同室も産後2,3日経過していたため、先に哺乳瓶で粉ミルクを与えられていました。
乳房マッサージをうけたあと、おっぱいがパンパンに張り、分泌が結構あったので、当然赤ちゃんが飲んでくれると信じて疑いませんでした。
ところが、授乳指導ということで助産師、看護師が毎回きて指導してくれるのにもかかわらず、反り返っていやがり、その様子を目撃していた実母と義母は
「立って逃げそうになっていた」
と表現しました。
毎回痛い搾乳器で搾乳し、哺乳瓶で与え、粉ミルクも足していました。
自然なお産をしたいと願っていたのにかなわず、しかも授乳ができないなんてショックでした。

産後一ヶ月経過したころ、当時住んでいた東京都葛飾区に戻りました。
搾乳も痛いし、いっそ粉ミルクのみにしてしまおうか、でも母乳で育てたいと悩んでいたところ、主人からこういわれました。
「今あきらめるのも一つの選択だけども、あきらめたらこの先育児でなにかあるたび『この子はおっぱい飲んでくれなかったから』とこどものせいにするぞ。自分の為にもがんばってみたら」
その言葉はには納得しましたし、母乳で育てたいというのも、わたしのきょうだいでひとりだけ粉ミルクで育った妹だけが酷いアトピーだったというのもありました。

新生児訪問にきてくださった助産師に相談しましたが、桶谷式を紹介されました。
早速電話してみたのですが、もう2ヶ月近かったので
「その赤ちゃんは哺乳瓶が好きなのよ」
といわれてしまいました。
それでもあきらめきれず、葛飾赤十字産院の乳房ケア外来に通う事にしました。
はじめはいつものように反り返りました。指導どおり哺乳瓶をピジョンの「母乳相談室」に切り替え、搾乳を飲ませてからおっぱいも吸わせてみる練習をしました。

葛飾区には「おっぱいっ子クラブ」というIBCLCの助産師が代表をしている母乳育児の会があり、つどいに参加してみることにしました。
スタッフから、
「いま困っていることはありませんか?」
といわれたので
「もうすぐ2ヶ月になるんですが直接おっぱいを飲んでくれないのです。」
と相談しました。
つどいでは前半、グループトークといって参加者の悩みごとをグループ別にわかれて話しあうことをしていて、参加者とスタッフでわたしの悩みを考えてくれました。後半はテーマの話しをやっています。
終了後、代表の助産師さんに個人相談する機会をいただき、乳房もみてもらいました。
形に問題があるわけではないということで、
「こんないいおっぱいもったいない。必ず飲めるようになりますよ」
と励まされました。

その次の週、乳房ケア外来を受診したとき、助産師さんが
「さあ、おかあさんのおっぱい飲んでみようね」
とわたしに息子を渡したところ、まるでいままであたりまえだったかのようにおっぱいを飲み始めました。助産師さんが魔法でもかけたかのようでした。

その日から、すべての哺乳瓶は封印し、搾乳もやめ、粉ミルクも足さず、現在まで母乳育児がつづけられています。

その後、ベビースリングを使いはじめ、「おっぱいっ子クラブ」のスタッフにもなりました。

今年3月に札幌に転居した際、「おっぱいっ子クラブ」代表の助産師さんに御紹介いただき、IBCLCの小児科医に御会いする機会をいただきました。
先生が構想をお持ちだった母乳育児の会の立ち上げをお手伝いすることになり、5月に初会合を開く事ができました。幸い地元新聞に事前に掲載されたので、母乳育児に関心のある方から多数お問い合わせをいただき、当日も盛況でした。
札幌は母乳に対する関心が薄いと聞いておりましたが、そんなことはなく、ただ情報がないだけなんだと思いました。今後もせっかく与えられた機会ですので、大切に続けていこうと思っております。

いままで、ラレーチェリーグの「だれでもできる母乳育児」をはじめ母乳の専門書を読むと、本当に医療者の正しい指導、妊産婦の知識によって母乳育児はスタートも過程も違うと感じました。
「妊娠中に知っていたら...」と思うことばかりです。わたしはたまたまいい母乳育児の会と助産師に出会いましたので、とても幸運でした。
これからも自分自身も勉強していきたいですし、多くの母乳育児をしたい母親のサポートを微力ながらもしたいと思っています。

2004/06/05に寄稿いただきました。




ミル大吉さんは....
北海道札幌市で「YYおっぱいクラブ:トペの会」という母乳育児の会で活動されています。
トペとはアイヌ語で「乳」の意味です。



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