「混合→母乳」経験談


くまじろさんの場合

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〜息子の意思を全く無視したやり方はいやだ それを聞いていたかのように〜



母乳のみになった時期  : 6ヶ月頃



現在7ヶ月になった息子の母親です。先月からようやく母乳のみにできるようになったのですが、生後3日目から先月までは乳頭混乱でおっぱい拒否の毎日でした。
母乳のみになった時期、というより、おっぱいを吸い始めてくれた時期、と言い換えてもいいかもしれません。
それまではずっと、搾乳した母乳を哺乳瓶で飲ませていました。

私は出産前から母乳で育てたいと思っていましたが、母乳育児がこれほど難しいものだとは思ってもいませんでした。
周りの友達も当たり前のように母乳で育てていたし、私の母も出すぎるくらい母乳が出たらしいので・・・。
でも、出産の時に会陰切開を2箇所され、大量出血をした為極度の貧血になり、何日経ってもおっぱいは張らず、つまんでもにじんでくることもありませんでした。
看護婦さんに相談しても、「とにかく吸わせなければ出ない」と言われるばかり。その頃は「赤ちゃんは3日分のお弁当と水筒を持って生まれてくる」という事を知らなかったので、何も出てこないおっぱいを吸わせるのが可哀想で、1〜2分吸わせてすぐにミルクをあげていました。
そして、息子が寝ているときはとにかくおっぱいマッサージをやり続け、分泌が始まるのを待ちました。
今思えば、そんなことをせずに体を休めて、1時間でも2時間でも吸わせ続ければよかった・・・。
結局息子は生後3日でおっぱいを嫌がり、吸わせようとすると顔を真っ赤にして泣き叫ぶようになりました。

退院してからも授乳のたびに大泣きされ、体をのけぞらせておっぱいを拒否する息子に涙がこぼれました。
母親としての自分を拒否されているような気がして・・・。
市の相談窓口で紹介してもらった助産師さんに、搾乳で母乳分泌を増やす方法を教えてもらい、母乳は少しずつ出るようになりました。でも、息子がおっぱいを吸ってくれることは一度もありませんでした。
そして、その後も色々な助産師さんや母乳外来を訪ねて授乳指導をしてもらい、ニップルや注射器、ナーシングサプリメンターといった様々な道具を使ったり、哺乳瓶の乳首を私の乳首にかぶせて吸わせようと試みました。
でも、結果はすべて失敗。
毎回授乳のたびに、搾乳した母乳を哺乳瓶で与え、その後ミルクを足し、飲ませ終わったら次に備えて搾乳をする、という毎日が結局5ヶ月間続きました。
それでも、途中からはそんな毎日に慣れてしまい、こういう形でも母乳育児ができているんだ、と思うようになっていました。
家族も搾乳にあけくれる毎日を送る私を最初は理解してもらえず、何度も口論をしましたが、そのたびに何時間もかけて母乳にこだわる理由を説得をしました。そして、私のわがままを理解し、支えてくれるようになりました。

何をしてもだめだったのに、突然おっぱいを吸ってくれるようになったのは、5ヶ月の終わりのある明け方でした。
どうしてなのか、理由は全然分かりません。でも、その日から添い乳でなら吸ってくれるようになり、1週間かけてミルクの割合を減らしていきました。最初のうちは夕方近くになると何度飲ませても大泣き、すぐにおっぱいを離す・・・。
哺乳瓶を使うことにものすごく抵抗を感じたので、ぎりぎりまでおっぱいでねばり、どうしようもない時だけミルクを与えました。
そして、その翌週から半ば強引にですが、完全母乳にすることができました。

助産師さんの中には「哺乳瓶を一切使わないように。お腹が減れば嫌いなおっぱいでも吸うから」という人もいましたが、息子も一人の人間なのだし、そういう彼の意思をまったく無視したやり方はいやだ、と思いました。そして、この話を夫にしたときに、息子が私の顔をじっと見ていたのです。突然おっぱいを吸ってくれたのは、その翌日の明け方でした。
偶然かもしれませんが、私にはおっぱいを拒否したのも、吸ってくれるようになったのも、息子のはっきりとした意思のように感じるのです。 入院中、おっぱいをいやがる息子の後頭部を無理やり看護婦さんが押さえつけて吸わせようとして以来、ものすごい拒否が始まりました。それ以来、横抱きにするのも頭を触られるのも大嫌いになってしまった息子・・・。
生まれて数日の息子の心に、何か傷を作ってしまったのなら、なんとしてもこれからそれを癒していってあげたいです。
ようやく最近では横抱きでもおっぱいを飲んでくれるようになりました。

離乳食が始まるこの時期から始まったおっぱいライフ、大切に、楽しく過ごしていきたいと思っています。


2006/12/14に寄稿いただきました。




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