今後、出産をされる方へ


−身近な理解者・協力者を持ちましょう−

「母乳育児は大変」と、よく言われます。
でも、本当は母乳育児が大変なのではなくて、育児そのものが本来とても大変なものなのです。

昔は大家族で親子2代3代が同居なんていうことも多く、子供の頃から親や兄姉が子供を育てる姿を見る機会がありましたし、 自分が出産して子供を育てる場面になったときに、多くの家族の助けを得ることができました。
今はそういう環境にある人はとても少ないですから、赤ちゃんに接するのは本当にこれが初めて、夫と自分と赤ちゃんだけの生活、という人がほとんどです。
初めての子供であればなおのこと、わからないことだらけで、お母さん一人ではとても全てこなせるものではありません。
だからこそ、母乳育児を希望しているか否かに関わらず、できるだけ身近な理解者・協力者が必要となるのです。

母乳育児を希望しているなら、そのこともきちんと理解してくれる協力者があればさらに心強いこと間違いなしです。
お母さん一人で育児の全てをかかえこむのは無理なことです。 できるだけ多くの人に助けてもらえるように自分の周囲の環境を整えておくことをお薦めします。

◇夫

一番身近な存在は夫です。
子供は夫婦二人で育てるものです。 そして、夫の理解と協力があるとないとでは、産後の生活の大変さがかなり違います。
あなたが母乳育児をしたいと希望するなら、

・なぜそうしたいのか
・そのために産前産後にどのように過ごすのがよいのか
・なぜミルクを与えることはよくないのか
・具体的にどんなことで協力をしてもらいたいか

などを前もって話して、きちんと理解してもらえるようにするとよいでしょう。 母乳育児に関する本を読んでもらったりするのもよいかもしれません。
具体的には、赤ちゃんをお風呂に入れて欲しい・泣いて大変なときは交代して抱っこして寝かせる努力をして欲しい・家事をしてほしい・掃除をしてほしい などなどでしょうか。 産後3ヶ月頃までは特にあなた自身があまり家事はしないでゆったり過ごす必要があるのだということも話しておくとよいでようね。
男性は出産や母乳育児に関してあまり興味のない方が多く、理解してもらうのが大変かもしれませんが、どうかくじけないで食い下がってみてください。

◇家族・親族

次は、あなたの両親や夫の両親を初めとする家族や親族でしょうか。
赤ちゃんを育てていると、彼らはあなたを助けようとして、あるいは赤ちゃんのためを思って、さまざまな助言をしてくれると思います。 それは感謝すべきことなのですが、こと母乳育児に関してはこのことが逆効果になる場合があります。

・母乳はちゃんと出ている?
・母乳が足りないんじゃない?
・ミルクを足さないとダメよ
・赤ちゃんが泣いてかわいそうよ
・体重が増えなくてかわいそうよ

その他、挙げだすとキリがないくらいいろいろあるのですが、これらが逆にお母さんへのプレッシャーになって母乳の分泌が悪くなることが多いのです。 そして結果的に母乳育児をあきらめてしまう場合がたくさんあります。
特に、私たちの親の世代はミルク全盛期でしたから、母乳育児をしたことがない方も多く、中にはミルクを足さずに育てるなんて信じられないとまで言う方もあるようです。
あなたが母乳で赤ちゃんを育てたいと思うなら、そのことをあなたの両親や夫の両親にも伝えて理解してもらえるようにしておくとよいと思います。
赤ちゃんが生まれてから考え方の違いがわかった時、あなたが彼らを説得するエネルギーを捻出するのは大変だと思います。根回しは労を惜しまずにしておくのが懸命です。

◇産婦人科医・助産師・小児科医・内科医など

出産施設選びのページでも触れましたが、出産施設の医師や助産師さんはもちろんのこと、 今後赤ちゃんが病気になった時や健診時にお世話になる小児科医や、あなた自身が病気になったときに診てもらう内科医なども母乳育児に理解のある人であるほうがいいですよね。
これらは前もって調べるのは大変かもしれませんが、たとえば近所の方々の口コミや、市区町村の保健所・保健センターなどに電話で聞いてみるなどである程度見当をつけることができます。
実際に診察を受けた場合は「母乳育児サポーターチェックリスト」でその人が本当に理解があるかどうかを確認してみるのもよいと思います。
でも、なかなか「賭け」の要素が多いですね....

◇母乳育児支援グループなど

地域に根ざした母乳育児支援グループが、日本の各地にあります。
こういうグループは母乳育児をしている人たちの集まりですから、情報量も多く、的確な支援が期待できると思います。 居住地の近くになくても、電話やメールで相談を受け付けてくれるところもありますから、インターネットを使ったり市区町村の保健センターなどに問い合わせるなどして、探しておくとよいのではないでしょうか。
もしも夫や両親の理解があまり得られなくても、「ここに相談できる」と思えるところがあるとずいぶん気持ちが楽になりますし、 いろいろな方の経験談を聞くことができれば元気もでるかもしれません。





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