母乳育児のツボ


◆母乳の場合の授乳間隔・授乳回数と哺乳量

「いつまでたっても、授乳間隔が開かないんです」
そんな悩みを抱えてらっしゃるかたがたくさんいらっしゃいます。
赤ちゃんの授乳のペースは「2〜3時間おきに、1日8〜10回程度が目安」という産院や保健師の指導、育児書・育児雑誌からの情報が頭にあれば、「こんな調子じゃ、絶対足りてないんだ」と思うのが普通かもしれません。

でも、この授乳ペースは「ミルクの授乳ペース」であるということをご存知でしたか?

ミルクは牛の乳から作られます。その成分は、もともと「牛の仔のためにちょうどいい」状態になっていますが、「ヒトのためにちょうどいい」状態ではありません。 たんぱく質や脂肪分、カルシウムなどが豊富に含まれていても、ヒトはこれらを100%吸収できるわけではありません。消化吸収にも時間がかかります。
赤ちゃんに必要とされる栄養分をその吸収率も考慮に入れて摂取させようとすると、多量のミルクを飲ませる必要があるのです。 そして、消化器官への負担を少なくするために、次に授乳するまでには2〜3時間あけなければならない、ということになるのです。

では、母乳はどうかというと、言うまでもなくその成分は「ヒトの子のためにちょうどいい」状態になっています。
たんぱく質や脂肪分、カルシウム、その他ミネラル、病気に対する免疫抗体までもが含まれ、それらが100%とは言わないまでも、効率よく赤ちゃんの身体に吸収されるのです。 ですから、多量に飲まなくてもミルクに匹敵するだけの栄養分は十分に赤ちゃんの身体に取り込まれます。
また、非常に消化がよいので赤ちゃんはすぐにおなかが減ります。だから何度でも欲しがるのです。 消化がよいので消化器官に負担がかかる心配もありませんから、前回の授乳からどれだけ時間がたったかを気にする必要はありません。

1回の授乳での赤ちゃんの哺乳量は個人差があります。また、毎回 飲む量は一定ではありません。 少ない時は30〜40ml(もっと少ないことも)、多くても100ml前後飲んでいればよいそうです。
1回の哺乳量が少なければ、赤ちゃんは何度も欲しがることでトータルで足りるようにするので心配いりません。
「ミルクの缶に書いてあるほどの量を飲んでいないようだから」とミルクを足さなくてもいいのです。

授乳間隔・授乳回数・1回の授乳時間・哺乳量・・・・そんなことを気にしないで、のんびりだらだら、でいいんですよ。

それから、赤ちゃんは栄養を摂取するためだけにおっぱいを求めるのではなく、「安心」をもおっぱいに求めます。 おなかが減っていなくても、おっぱいに吸い付いていたいことがあるということを知ってください。
「赤ちゃんのおなかを満たすための授乳」だけではなく、「赤ちゃんを慰め、安心させてあげるための授乳」があるのです。

赤ちゃんが求めるままに何度でも授乳してよいのです。
1日に20回以上も授乳する日々が続いても何もおかしいことはありません。
母乳で育てるということは1日中おっぱい、ということだと言ってもよいかもしれません。



おっぱい生活 トップへ駄々のぺ・ちゃぱい ホームへ