いろいろな疑問


−果汁や離乳食の開始時期−

本屋さんに並んでいる育児本は、妊娠・出産関係→離乳食→しつけ・・・・というように、母乳をすっとばして離乳食にいってしまいます。 さらに、離乳食の準備開始時期の早いこと早いこと、混合からようやく母乳だけでいけるようになった!とほっとする間もなく悩みの種ができるようです。
でも、そんなに早く始めなくていいんですよ....

◇果汁

3ヶ月を過ぎると、周囲から「そろそろ果汁や、野菜スープや、お味噌汁のうわずみなんかをあげないと」と言われることが多いようです。 特に「果汁」は、よく言われるようですが、なぜでしょうか?
昔の粉ミルクにはビタミンがあまり含まれていなかったので、それを補うために「果汁を」ということが言われたのだそうです。 けれど、赤ちゃんの消化器官はとてもデリケートで傷つきやすいのです。生後6ヶ月頃までに母乳以外のものを与えることで腸壁が傷つき、赤ちゃんの具合が悪くなることもあります。 果汁は酸味が強いものが多く、赤ちゃんの腸には刺激が強いですから、3ヶ月や4ヶ月の頃に急いで飲ませようとしないほうがよいでしょう。
また、現在の粉ミルクは「栄養強化」と称していろいろなものが添加されています。ビタミン類も添加されているということなので、ミルクだけの場合でも、3ヶ月や4ヶ月頃から果汁をあげなくてもよいのだそうです。

◇離乳食

離乳食も4ヶ月頃から「そろそろ」と言われるようですが、生後6ヶ月頃までは母乳だけで十分なんです。その理由はこんなことです。

・母乳には6ヶ月頃までの赤ちゃんに必要な栄養は十分に含まれている
・母乳に母親が食べた物の味が出るので、赤ちゃんは色々な味を経験している
・母乳を飲む動作はあごの動きも活発なため、十分咀嚼の準備をしている
・早期に離乳食を開始することで赤ちゃんの腸壁を傷つけるおそれがある

果汁のところでも書きましたが、昔は粉ミルクだけでは栄養が不足していたので早くから食事で補う必要があったことと、粉ミルクは「牛の乳」であって「ヒトの乳」ではありません。 長期にわたってヒトのものでない異種蛋白を摂り続けることがよくないため、なるべく早く粉ミルク以外のもので栄養分を摂取できるようになることが大切とされたのだそうです。
母乳は「ヒトの乳」、しかも赤ちゃんのお母さんの身体から作られるものですから、「赤ちゃんのためのオーダーメイド品」です。 そのときそのときの赤ちゃんの成長に合った母乳が作られますから、早く離乳食を開始する必要はありません。 もっと言うと、1歳前後まで母乳だけでもまったく問題ないんだそうです。

では、いつ頃から始めればよいかということですが、「○ヶ月になったから離乳食を」と決めて始めるよりも、赤ちゃんの「食べたいよ」サインが現れてからにしてみてはどうでしょう?
6ヶ月頃になったらお母さんたちが食事をするときに赤ちゃんも一緒に食卓について食事に参加させてあげましょう。みんなが食べるのを見て、よだれをだらだらこぼしたり、口をもぐもぐさせたり、食べ物を手でつかもうとするしぐさが見られたりしたら 「食べたいよ」サインだと考えていいと思います。そんな様子がなければ、まだ本人は興味もないと思って食べさせなくていいでしょう。
時間帯は、朝、昼、夜、いつでも。赤ちゃんの機嫌がいい時、またはお母さんがやりやすい時間帯にあげればいいと思います。でも、「昨日は昼、今日は朝...」と、ばらばらではなくて、朝昼夜どれか一定にするほうがリズムができてよいでしょうね。
おっぱいをあげてからのほうが落ち着くようであれば、先におっぱいをあげればいいですし、あまりぐずらないなら食べてからおっぱいでもいいと思います。赤ちゃんの様子をみながら、いろいろ試してみましょう。

開始時期に触れたついでに、離乳食の量や内容についても少し書いてみます。
1歳頃までは「赤ちゃんに、おっぱい以外にこんな食べ物があるんだよ」と紹介するつもりで食べさせてあげればいいのだそうです。
食べる量が少なくても母乳をしっかり飲んでいるなら大丈夫です。「母乳を飲んでいるから離乳食を食べないのだ」と周囲から言われることもあるかもしれませんが、赤ちゃんがまだ母乳以外の食物をそれほど必要としていないのだと考えてもよいと思います。 1歳を過ぎて自分で立って歩いて行動範囲が広がり運動量も増えるに従って、赤ちゃんは自ら「もっと食べたい」と要求します。その時期が1歳だったり1歳半だったり、2歳だったりと子供によって違うだけのことです。
「何か食べないと心配だから」と甘いお菓子やジュースをあげるのは、虫歯の原因にもなりますし「おなかが減った」という感覚が鈍りがちですからやめておくのが懸命だと思います。

離乳食の内容は、赤ちゃん専用に凝ったものを作らなくても、大人のおかずに薄味の煮物を作るなどして、その中で赤ちゃんが食べられそうなやわらかいもの(舌でつぶせる程度)を取り分けてあげれば十分です。
離乳食の開始時期が遅いほど、裏ごしやすりつぶしはしなくてもいいですし楽チンです。 それに、赤ちゃん専用に作ると食べてくれなかったときの「がっかり感」が大きいですが、大人の食事のおすそ分けならショックも少ないのではないでしょうか?
里芋やにんじん、さつまいも、じゃがいも、大根、かぼちゃ....少し固いなと思ったら、だし汁をくわえてスプーンの裏でつぶしてあげればいいのです。 おかゆも、普通に炊いたご飯を薄味のだし汁で煮ておじや風にしてみてもいいかもしれません。 味付けは大人が食べて「やや薄味だな」と思う程度で平気です。外食や加工食品などの強い味付けに慣れてしまわないように注意して、素材の味がわかるような自然な味付けにしてあればそれでいいんです。
お母さんも楽をする方法でいきましょう!!

月齢が進むにつれ、体重の増加もずっと右上がりではなく横ばいになったりします。でも、まず赤ちゃんが元気かどうかをよく見てあげてください。 表情が豊かで、いろいろなことに興味を示し、よく動いて元気な様子であれば、無理に食べさせようとせず「食べ物を紹介」しながら、赤ちゃん自身が「もっと食べたい」と要求し始める時が来るまで焦らず気長に待ちましょう。



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